「Pythonでデータ分析ができると聞きました。現在はExcelでやっているのですが、プログラミング経験はありません。PythonとExcelでデータ分析ができることの違いを知りたいです」
そんなご質問をいただきました。
Excelでデータを集計したり、グラフを作ったりしている方なら、
- 「Pythonを使うと、もっとすごい分析ができるの?」
- 「今やっていることならExcelで十分?」
- 「プログラミング未経験でもPythonを学ぶ意味はある?」
というところが気になると思います。
先にお伝えすると、売上を集計したり、グラフで傾向を見たりするのであれば、Excelで十分できることはたくさんあります。
Pythonを学ぶ意味が大きくなってくるのは、Excelでしている分析を単にPythonでやり直したいときではありません。
「集計する」から、もう一歩進んでデータを調べたい。
そんなときです。
今回は、ExcelとPythonの機能を並べるだけではなく、「自分がしたい分析なら、どちらを学べばいいのか」まで考えてみましょう。
Excelでもデータ分析はできます
「Pythonでデータ分析」という言葉を聞くと、Excelでしていることは本格的なデータ分析ではないように感じるかもしれません。
でも、そんなことはありません。
たとえば売上データを使って、
- 「今月はいくら売れた?」
- 「どの商品が一番売れた?」
- 「去年と比べて売上は増えた?」
- 「店舗ごとの売上はどう違う?」
と調べることもデータ分析です。
Excelなら、関数やピボットテーブルを使って集計したり、グラフにして変化を確認したりできます。
しかも、表を見ながらその場で条件を変えられるので、
- 「まず数字を見てみたい」
- 「いろいろな角度から確認してみたい」
という分析では、Excelの手軽さが役立ちます。
ですから、データ分析をするためにExcelをやめてPythonへ移る必要はありません。
今Excelで必要な分析ができているなら、そのままExcelを使うことも十分な選択肢です。
Pythonを使うと何が変わるの?
違いを見るために、同じ「売上データ」を考えてみましょう。
Excelで、
- 「商品別の売上はいくら?」
- 「どの月がよく売れた?」
- 「店舗ごとの違いは?」
と集計する。
ここまでなら、Excelでも取り組みやすい分析です。
では、さらにこんなことを知りたくなったらどうでしょう。
- 「売上と気温には関係がある?」
- 「価格を変えたとき、売れ方はどう変わった?」
- 「複数の項目には、どんな関係がありそう?」
- 「過去のデータから、今後を予測する分析にも挑戦したい」
こうなってくると、単純な集計だけではなく、統計的な考え方や、より複雑な分析が必要になってきます。
Pythonには、データを扱ったり、統計的に分析したり、グラフを作ったり、機械学習へ発展させたりするためのさまざまな仕組みがあります。
つまりPythonを学ぶ大きな意味は、
「Excelでしていた集計をPythonでもできるようになること」だけではありません。
データに対して、もっといろいろな問いを立てて調べられるようになること。
ここにあります。

「集計」と「分析を深める」の違い
たとえば、お店の売上が先月より下がっていたとします。
まず知りたいのは、
「いくら下がったのか」ですよね。
これはExcelで集計できます。
次に、
- 「どの商品が下がったのか」
- 「どの店舗で下がったのか」
と調べる。
これもExcelで十分できることがあります。
でも、その先で、
「なぜ売上が変わったのだろう?」
と考え始めると、見るデータや分析方法も増えていきます。
価格、曜日、季節、天候、キャンペーンなど、売上以外のデータも合わせて関係を調べるかもしれません。
さらに、
「これまでのデータから、これからの傾向を考えられないかな?」
となれば、統計や機械学習といった方法も選択肢に入ってきます。
もちろん、Pythonを使えば自動的に「なぜ」が分かるわけではありません。
何を調べたいのかを考え、適切なデータや分析方法を選ぶことが必要です。
ただ、分析を深めたいときに使える方法を広げやすいことが、Pythonを学ぶメリットの一つです。

Excelで十分?Pythonを学ぶ意味ある?
具体的に比べてみます。
| やりたいこと | まず使いやすい選択 |
|---|---|
| 売上の合計・平均を出したい | Excel |
| 商品別・店舗別に集計したい | Excel |
| ピボットテーブルで傾向を見たい | Excel |
| 売上推移をグラフで確認したい | Excel |
| データ同士の関係を詳しく調べたい | Excelでも可能。分析内容によってPythonも検討 |
| 統計的な分析をいろいろ試したい | Pythonを学ぶメリットが大きくなる |
| 分析方法をコードとして残して再現したい | Pythonを学ぶメリットが大きくなる |
| 機械学習を使った分析へ進みたい | Pythonが有力な選択肢 |
ここで大切なのは、Excelでできる/Pythonでしかできない、と単純に分けないことです。
Excelにも統計分析の機能がありますし、Pythonだから簡単に高度な分析ができるわけでもありません。
違いは、
- 「今あるデータを分かりやすく集計・確認したい」のか、
- 「分析方法そのものをもっと広げていきたい」のか。
と考えると分かりやすくなります。
Pythonが向いているのは「大量データだから」だけではない
Pythonのデータ分析を調べると、「大量のデータを扱える」という説明をよく目にします。
確かに、それもPythonが使われる理由の一つです。
ただ、今回のように「Pythonを学ぶべきか」を考えている初心者の方には、データの量だけで判断してほしくありません。
たとえばデータがそれほど多くなくても、
- いろいろな統計分析を試したい。
- 同じ分析方法を別のデータにも使いたい。
- 分析した手順をコードとして残したい。
- 将来、機械学習にも進みたい。
という目的があるなら、Pythonを学ぶ意味があります。
反対に、大きなデータを扱う予定がなく、今必要なのが「集計してグラフを見る」ことであれば、まずExcelをしっかり使えるようになるほうが役立つこともあります。
自動化とデータ分析は、目的が違う
ここは、Pythonを調べていると混乱しやすいところです。
Pythonでは、ExcelやCSVなどを扱う作業を自動化することもできます。
たとえば、
- 「複数のファイルをまとめる」
- 「決まった加工をする」
- 「同じ処理を毎月繰り返す」
といった使い方です。
これは、分析そのものを深めるというより、分析する前後の作業を効率よくする使い方です。
今回の記事でお伝えしている「データ分析」は、
データから何が分かるのかを調べること。
一方、自動化は、
人が繰り返している作業をPythonに任せること。
と考えると違いが分かりやすくなります。
「Excelの仕事をPythonでどこまで自動化できるの?」という方は、自動化についての記事もあわせてご覧ください。
プログラミング未経験ならどちらを学ぶ?
今回ご相談いただいた方は、すでにExcelでデータ分析をしていて、プログラミング経験はないとのことでした。
この場合、
「Pythonができたほうがよさそうだから」
という理由だけで、急いでPythonへ進む必要はないと思います。
まず考えていただきたいのは、
「これから、データを使って何を知りたいのか?」です。
たとえば、
- 「仕事で売上を集計できればいい」
- 「ピボットテーブルやグラフをもっと使えるようになりたい」
のであれば、まずExcelを深める方法があります。
一方で、
- 「集計だけでなく、データ同士の関係も調べたい」
- 「統計的な分析を勉強したい」
- 「将来は機械学習にも触れてみたい」
のであれば、Pythonを学ぶ目的が見えてきます。
「Pythonを学ぶか」から考えるのではなく、「どんな分析ができるようになりたいか」から考える。
そうすると、自分に必要な勉強を選びやすくなります。

Excelで知っている分析を一つ試す
「自分はPythonも勉強してみたい」と思ったら、最初から機械学習などの難しいことをする必要はありません。
今Excelでできていることを一つ選んで、Pythonでも試してみる方法があります。
たとえば、
売上データを読み込む
↓
商品別に集計する
↓
グラフにする
といったところからです。
内容そのものはExcelですでに知っているので、
「Pythonでは、こうやってデータを扱うんだ」
という違いに集中できます。
そのうえで少しずつ、
集計 → グラフ → データ同士の関係を見る → 統計的な分析
と広げていけば、「Pythonを覚えること」が目的になりにくくなります。
「自分はPythonも勉強してみたい」と思ったら、最初から機械学習などの難しいことをする必要はありません。
今Excelでできていることを一つ選んで、Pythonでも試してみる方法があります。
たとえば、
売上データを読み込む
↓
商品別に集計する
↓
グラフにする
といったところからです。
内容そのものはExcelですでに知っているので、
「Pythonでは、こうやってデータを扱うんだ」という違いに集中できます。
そのうえで少しずつ、
集計 → グラフ → データ同士の関係を見る → 統計的な分析
と広げていけば、「Pythonを覚えること」が目的になりにくくなります。
「Pythonを習うべきか」より、何をしたいのかを大切に
今回のようなご相談で、
「これからデータ分析をするならPythonですよ」
と一言で決めてしまうのは、少し違うと考えています。
すでにExcelで必要な分析ができている方なら、その経験は大切な土台です。
Excelをもっと学ぶことで、今の仕事に十分対応できるかもしれません。
反対に、
- 「もっと分析を深めたい」
- 「統計を学んでみたい」
- 「将来は機械学習にも挑戦したい」
という目的があるなら、Pythonへ進む意味が出てきます。
大切なのは、
ExcelかPythonかを先に決めることではありません。
自分がデータから何を知りたいのか、どこまでできるようになりたいのかを決めることです。
そこが分かれば、次に学ぶものも選びやすくなります。
「今できる分析」と「やってみたい分析」
Pythonを学ぶべきか迷っている方は、紙でもメモ帳でも構いません。
次の2つを書いてみてください。
今できること
「Excelで商品別の売上を集計できる」
これからやってみたいこと
「売上とほかのデータの関係も調べてみたい」
この2つの間にあるものが、これから学ぶ内容です。
もし「やってみたいこと」もExcelでできそうなら、まずExcelを深めても構いません。
反対に、統計分析や機械学習などへ興味が広がっているなら、Pythonを学び始めるタイミングかもしれません。
Pythonを学ぶこと自体を目標にしなくても大丈夫です。
「こんなことを調べてみたい」が一つ見つかれば、そこから始められます。
まとめ
Excelでも、データ分析はできます。
合計や平均を出したり、商品別に集計したり、ピボットテーブルで切り口を変えたり、グラフで傾向を確認したり。
今必要としていることがそこでできているなら、無理にPythonへ変える必要はありません。
Pythonを考えてみたいのは、
- 「集計する」だけでなく、データ同士の関係をもっと調べたい。
- 統計的な分析をしてみたい。
- 分析方法をもっと広げたい。
- 将来は機械学習にも進んでみたい。
そんな気持ちが出てきたときです。
今回ご相談いただいたように、プログラミング経験がなくても、すでにExcelでデータを見ている経験はあります。
まずは、
- 「今Excelで何ができている?」
- 「その先で、何を知りたい?」
この2つを考えてみてください。
Excelを深めるのか、Pythonへ一歩進むのか。
一人では判断しにくいと感じたら、今している分析と「これからやってみたいこと」を整理しながら相談する方法もあります。
今できていることを土台にして、必要なところから少しずつ広げていきましょう。
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